クオリティーの高い革製品で定評のあるホワイトハウスコックス社は,メッシュベルトなどが有名な英国の一流メーカーですが,今回は主力商品である「ブライドルレザー」についてレビューしてみたいと思います。
創業は1875年と約150年の歴史があるホワイトハウスコックスですが,私は同社のブライドルレザーを使った長財布を日常用として愛用してきました。
その他にベルトも持っていますが,一つのものを長く大切に使う経験を通して,革製品の味わい方がどのようなものかわかってきた昨今です。
ホワイトハウスコックスについて
ホワイトハウスコックスという名前は,創業者であるホワイトハウス氏とサミュエルコックス氏に由来します。
ちなみに,本社がある場所はイギリスはバーミンガムの北西あたりです↓
ホワイトハウスコックス社の歴史はブライドルレザー製の乗馬グッズが最初になりますが,あるとき高級百貨店ハロッズのペット用品コーナーで,同社のリードや犬の首輪に目を留めた「とある人物」によって,その後の大躍進が始まります。
その人物の名は,ニューヨークのデザイナーである「ラルフローレン氏」で,彼についての説明はもはや不要でしょう。
それ以来,ホワイトハウスコックスは人間用のベルトを作ることを決めたわけですが,ポロブランドとして商品化したのが大きな転機になったわけです。
しかし,5代目社長のスティーブンコックス氏が2022年末に,後継者不在を理由に147年の歴史に幕を下ろすことを発表します。
もう2度と日の目を見ることがないように思われましたが,2023年の6月にヤマニがホワイトハウスコックスの全世界の商標権を買い取る契約を交わし,今後の展開が注目されている状況です。
ホワイトハウスコックス社のブライドルレザー
ここでは,ホワイトハウスコックスのブライドルレザーの魅力について詳しくみていくことにしましょう!
まず最初に言えること,それは最高級のカウハイド(成牛の1枚皮)を使っているところです。
確かな目を持った職人が入念にチェックを行っており,約150年という歴史の重みがあります。

また,伝統的な技法を用いて作られているところからは,デジタル化した現代において再評価されている,人間や生き物の温かみを感じ取ることができるはずです。
革を樹脂や種子などと一緒にフルベジタブルタンニンなめしを行い,色を深く浸透させるためにアニリンを用いて染色しています。
そして木片を使って,獣脂とコッドオイルを配合したブライドルグリースを表面にしみこませて仕上げていくわけですが,この作業にかかる期間はなんと10週間です。
あとで見せますが,この作業で完成した革は,長時間放置すると白い粉状のブルームが出てくるのが特徴で,それこそが本物のイングリッシュ・ブライドルレザーである証明とされます。
ホワイトコックスの手入れ方法
レザー製品は買って終わりではなく,育てる楽しみがあります。
定期的に手入れをしていくことで長年使用できるだけでなく,何物にも代えがたい,手放せなくなるほどの味わいが生み出されるわけです。
そこで本章では,ホワイトコックス社のブライドルレザーを手入れする方法について説明したいと思います。
まずは,一年に数回行えばよいとされる大規模なケアからみていきましょう!
準備する
何より,しっかりした道具を用意することが肝心です。
それはずばり,
- クリーム
- ブラシ
- 布(ウェス)
の3点で,私はホワイトコックス社のものを使用しています。
それぞれの見た目については先の画像を参考にしてください。
クリームを塗りこむ
道具の使い方ですが,まずはクリームを指に取り,財布表面に薄く伸ばしましょう。
指で塗り込むと,体温によってクリームの伸びがよくなり,全体的に薄く伸ばせるようになります。
摩擦で痛みやすいのは角やへりの部分なので,その箇所を中心に,念入りに塗り込んでください。
放置する
塗りこんだ状態で30分から60分ほど放置します。
スキンケアではないですが,クリームの成分が革にしみ込むための時間を十分に取るというのは,意外と盲点かもしれません。
ブラッシングする
最後にブラッシングをしたら終了です。
これを行う目的は,革の表面に残ったクリームを革の内側に戻すことで,優しく丹念にブラッシングすることがポイントとされます。
これまでの手入れにおける注意点についてまとめてみますが,
- 手入れをすると,革の色は濃くなる
- 布で強く擦りすぎない(傷や色抜けにつながる)
- 強くブラッシングしない(表面が傷つく)
ことです。
大変な気がするかもしれませんが,メンテナンスの先に深い味わいが待っていると思えば,意外と楽しんでやれるでしょう。
一方,ホワイトコックスの普段の手入れ方法については,
- ブラッシング
- 布で乾拭き
の2つを行うだけでよく,これでも艶が増すと言われています。
手の届く位置にブラシと布を常備し,手すきの際に愛でるだけで十分です。
ちなみに,ホワイトコックスに向いた一般的なクリームとして,ブライドルレザークリームが販売されていますが,ブライドルレザー製品に限らず幅広い革製品に使えるもの(レザーバームなど)も存在しています。
ブラシは柔らかな馬毛を用いたものが理想です。
ホワイトハウスコックスの長財布をレビュー
最後に,ホワイトハウスコックスのブライドルレザーを用いた長財布についてレビューしてみましょう!
商品名は「ヴィンテージブライドルレザー ロングジップラウンドウォレット 長財布(型番S2622)」となります。
まずは外観からですが,育て甲斐のあるつややかな革です↓
私が購入したものも表面に白い粉状のブルームが浮き出していましたが,先述したとおり,その蝋分こそがブライドルレザーの証明ですし,革の性質にはまったく影響しません。

ちなみに,2年使ったときの状態が以下です↓
画像だと伝わりづらいですが,実際は光を反射してきれいに光り,壊れる様子は一切ありません。
今回レビューしたのはヴィンテージブライドルレザーを使っており,革の鞣しの段階で1年という年月を余計にかけているところが特徴です。
冒頭で述べたように,樫の樹皮を使って作ったオークエキスを徐々に濃度を濃くしながら革に染み込ませていきます。
その鞣した革に,さらに先ほどのブライドルグリースを染み込ませて完成です。
コシが強く張力に富んでいますが,原始的で非効率な生産方法で稀少な分,傷跡や部分的な濃淡の差が強く出ることや,値段がやや高くなるなどのデメリットがあります。
しかし,通常のブライドルレザーで満足できない方は検討に値するものです。
加えて,ファスナーを始め,全体的に大変頑丈な作りが魅力で,ジッパーはスイスのriri社のものとなり,デザインの他,何とも言えない滑らかさが大変気に入っています↓
お札は4か所に入れられますが,1万円札が入る部分は2ヶ所です。
厚みがあるので1ヶ所に20万円くらい入りますが,50枚は無理でした。
カードは全部で8枚入れられますが,フリーポケットが2ヶ所あるので,そこに紙製のポイントカードやレシートなどを入れています↓
他に留意すべき事柄として,全体的に嗅いだことのない革の匂いがします。
最初は違和感がありましたが,数年経った今でも同じ匂いがしていて,特別感があって私は好きです。
なお,傷にはめっぽう弱く,爪でひっかくともれなく跡が残ってしまいますが,こういうものを刻んでいくのが楽しいので,気にせずガンガン使っています。
まとめ
以上,ホワイトハウスコックスのブライドルレザーの味わい方と手入れ方法をまとめ,長財布についてレビューしてきました。
同社の革製品としては,財布の他にもベルトや名刺入れ,キーホルダーなどがあるので,是非コレクションの1つに加えてみてください。
ブラシで愛でていると,物を大切にしている感覚が芽生えて,実に優しい気持ちになれます。
ちなみにですが,もしも使っている商品に不具合が生じた場合は修理してもらえるとの話でした。
昔は英国に送る必要がありましたが,これからはヤマニが担当してくれるのでしょうか。
長く使ってこそホワイトハウスコックスの持つ独特な風合いを実感できると言いますが,なるほど,このようなサービスまであるのであれば,まさに一生かけて味わい尽くせる牛革だと言っても過言ではないでしょう。
贈り物として購入するときを含めて,手入れができるように,それ用のクリームやブラシを一緒に添えるのがおすすめです。
イギリスの誇る一流レザー製品で,これまでに気づけなかった楽しみを見つけてください!