今回ですが,「ロレックスのオイスターフレックスを交換したときの様子」について詳しく書いてみたいと思います。
メタルブレスレットと異なり,オイスターフレックスはコマ調節をして,簡単に短くすることができません(ベルトを切断することもできません)。
正規店でオイフレ搭載モデルを買う場合はその場で測ってもらえるので良いのですが,並行店で買う場合は,実際使える状態にするまでに1ヶ月くらいは見ておく必要があります。
加えて,ブレスレット交換にかかる費用も時計の代金に含めて考えることが大切です。
その際の手続きについて当記事で学び,不安な点を払拭していただけたらと思います。
オイスターフレックスについて
オイスターフレックス(オイフレ)ですが,ロレックスの時計に見られるブレスレットの1つで,一般的には「エラストマー」に分類される素材です。
ゴムのように弾性をもつ柔らかい高分子と説明されることもあり,普通にイメージするラバーバンドとは全く異なります。
中には2つのメタルブレード(薄い金属板のようななもの)が仕込まれ,それを高性能なエラストマーでコーティングしていて,手で折り曲げるとパキパキと音がするわけですが,「丈夫なのに柔らかくて快適である」というのが公式による説明です(参考:ロレックスのブレスレットについて)。
ちなみに,私は1年半くらい前に購入したオイフレを片一方だけ交換することにしたのですが,新旧見比べても劣化は感じられませんでした。
未使用の状態で数年置いておく程度では目に見えるほどの違いは生じないというのが,交換後にわかったことの1つです。
なお,並行店で購入する際,通常のメタルブレスレット(正確にはオイスターブレスレットですが,煩雑になるので「メタル」を使っています)であればコマ調節してもらえるので,自宅に届き次第,使い出せるのですが,オイフレの場合は初期交換に応じてもらえないところがほとんどでしょう。
並行店が独自にオイフレを取り寄せられるものだと思っていた私としては盲点でした。
そのため,その時計を今度はロレックスのサービスセンターに預ける必要が出てくるというわけです。
もちろん,調整なしで自分の腕周りにピッタリだった場合は除くため,中古を購入する方は,オイフレのサイズについても一応気にしておくと良いでしょう。
デフォルト状態としてはEとFのアルファベットの付いたオイフレの組み合わせになっていて,腕周りは17cmほどとなっているはずですが,長さの違うものを組み合わせることで,14cm~22cmくらいに対応することが可能です(ちなみに,上に挙げた写真だと右部分にFの文字が確認できるはずです)↓
オイフレの組合せと腕周り長
DとDで14cm,DとEで15cm,EとEで16cm,FとFで18cm,FとGで19cmなど
もっとも,オイフレを交換せずとも,クラスプ内の調整だけで約1cmかつイージーリンクシステムで約0.5cmの調整ができるので,腕周り1cm程度の調節であれば,オイフレを交換せずに済む可能性があります。
実際,正規店に時計を持っていくと,そういった簡易調整で対応できないかどうかをまず最初に確認されるのですが,そうしたやり取りについては次章でまとめることにしましょう!
オイスターフレックス交換までの日数
いざオイスターフレックスを交換することになると,自分の時計をロレックスにしばらく預けることになります。
私は,正規店にはオイフレの在庫がきっとあって当日対応してもらえるのではとかすかに期待していたのですが,全くそのようなことはなかったのでご注意ください。
正規店でオイフレを装備したモデルを購入できたとしても,その場ですぐに交換できず,同じように預けることになってもおかしな話ではありません。
オイフレを在庫として抱えず,本国スイスからその都度,必要分だけを取り寄せているからでしょう。
作業開始すればオイフレ自体の交換はすぐに終わるはずのところを,1週間ほど待たされることになるのは,部品が届くまでの時間が長くかかっているからだと思いました。
やや順番が前後してしまったので,ここで預けてから手元に戻ってくるまでのタイムスケジュールについて,自分のときの状況を箇条書きにしておきます↓
オイフレ交換のスケジュール
0日目:正規店に訪問。時計を預ける
1日目:サービスセンターに時計が送られる
5日目:見積書が自宅に届く
6日目:見積書を送り返す
9日目:受付連絡
13日目:オイフレの取付作業
14日目:配達日の相談連絡
15日目:発送
16日目:到着
日数は全部で「16」となっていますが,これはあくまで営業日のことです。
サービスセンターは土日祝日は休業なので,実際は1ヶ月くらいかかっていることに注意してください。
次章ではもう少し,詳しいやり取りについて書いてみたいと思います。
オイスターフレックス交換までの手順詳細
正規店を訪問する
ロレックスの正規店を訪れ,交換したい旨を伝えます。
このとき,住所や名前の他,電話番号を書くことになりますが,ギャランティーを提示する必要はありません。
時計だけを持っていけばOKです。
腕周りについてはその場で測ってもらいましたが,オイフレを装着した時計を合わせるようなことはなく,紙で腕周りを測るだけで,自分で予め測っていた数値と結果は異なりませんでした。
サービスセンター(郵送専用)にメールや電話をするだけでも交換手続きができるわけですから,正規店の訪問は必須ではありませんが,その場合,時計を送る作業を自分でしなければならないので面倒に感じるかもしれません。
時計を預けた後ですが,この後の対応についての説明があり,名前と問い合わせ番号,担当部署が印刷された紙のカードを受け取って帰宅となりました。
見積書を送付する
サービスセンターに時計が送られ,状態のチェックが行われると見積書が発行されます。
そこには,問合せ番号やモデル番号にシリアル番号,さらにはブレスレットや文字板情報が記載されている他,要望や必要項目(作業内容や金額)が書かれていました↓
アフターサービス規約や発送予定日(約1週間)が記載された紙も入っていましたが,ここでの目的は見積もりを承諾したという旨の書類を送り返すことです↓
承諾を受けるまでは作業は開始されないので,急ぐ方はすぐに返信用の封筒に必要書類を入れてポストに投函しましょう!
ちなみに,2023年5月時点の料金ですが,1つのエラストマーを交換するのに32000円かかりました。
2つなら64000円で,これに送付手数料1000円と消費税が別途必要です。
ロレックスからの連絡を受ける
ロレックスからの連絡ですが,承諾書類を受け取ったという旨の電話がかかってきました。
それと同時に,受注書が送られてきます。
内容はすでに確認したものと同じで,収入印紙付きです。
わかりきったことをくどくどと思う方がいらっしゃるかもしれませんが,丁寧な対応というのはこういったものを指すのでしょう。
電話も留守電にきちんと残されていましたし,私が電話をかけ直した際は,1コールですぐに相手が出てきて,大変丁寧な対応でした。
時計を受け取る
発送日の相談についても電話連絡が来ましたが,最短でお願いして,翌日発送となりました。
運送会社はクロネコヤマトで,支払いは現金かクレジットカードが使えます。
防犯上の理由からか,伝票に「ロレックス」の文字は書かれませんが,「時計」と「東陽町サービスセンター」の2つでわかる人にはわかるでしょう。
コンパクトな梱包内容でしたが,これはオーバーホールを終えて戻ってきたものと同じ状態です↓
剥がすと開封済みの文字が表れるテープの付いた発泡スチロールの中には,交換を終えた時計の他,不要になったオイフレも入っています。
ロレックスのアフターサービスを利用すると,運ぶためのケースがいただけるのですが,今回はスウェード調のものでした↓
ありがたく使わせていただきます。
まとめ
以上,ロレックスの正規店でオイスターフレックスを交換したときのまとめでした。
かかる日数は16営業日(約1ヶ月)で,料金は1本交換なら36300円,2本なら71500円となります。
スタッフの対応は大変丁寧で,進捗情報や作業内容についてよく理解することができました。
オイスターフレックスは,使用せずに1年半の年数を経ても新品と見た目に変化なく,並行店でやや前の個体を購入された方であっても,最小限の費用でエラストマー交換を行ってもらうことができます。
返却された時計を腕にはめてみると,ブレスレットが軽いため,メタルブレスレットのものと比べて時計全体の重さが抑えられていることに気が付きました。
クッション構造が設けられていることも,快適な付け心地に大きく貢献しています。
時計を外した直後は手にオイフレの跡が残ってしまうものですが,これについてはメタルブレスでも同じでしょう↓
この他,昨今におけるロレックスの買いづらい状況はどうにもなりませんが,やはり,オイスターフレックスを搭載したモデルは多くの方におすすめです。
是非,ご検討ください!