春や秋になって外が良い天気である日が増えてくると,「これまでいろんな言い訳をしながら避けてきたランニングをいよいよ開始しよう」といった前向きな気持ちが徐々に高まってきます。
これを機に一念発起し,いったいどのくらいまで体脂肪を落とせるかという記録に挑戦してみたり,今度こそ3日坊主ではないことを周りの家族に見せつけてみたりするのも良いでしょう。
ですが,ランニングを新しく始めるにあたって,1つ自分自身に問わなければなりません。
それはずばり,自分にランニングをする資格があるかということです。
資格といっても免許やこれまでの運動歴などを意味するわけではありません。
普通に走れる脚力があるかどうかということです。
走るという行為は,実はかなり負荷の高いものですので,ブランクの期間が長ければ長いほど慎重に開始する必要があります。
今回は,ランニングを始める前に行うべき「脚力の診断テスト」について学んでみることにしましょう!
ランニングの過酷さと身体へのダメージ
理想の自分に近づくためにランニングを始めようと決意したことは立派なことで,大きな覚悟を必要としたはずです。
決心した時点で価値ある最初の一歩を踏み出したことになりますが,わざわざランニングを選ぶ必要はないかもしれません。
変な話,ウォーキングで十分ではないでしょうか。
ここではまず,ランニングとウォーキングの違いについて説明します。
いきなり答えを述べると,これらの違いは「両足が地面を離れる瞬間があるかないか」です。
つまり,ジャンプの有無がランニングとウォーキングの違いになります。
この「ジャンプ」という行為が実に厄介なくせ者で,健康な毎日を過ごすのに欠かせない膝や脛,足首をケガさせてしまうリスクを高めてしまうわけです。
ジャンプしたあとの着地について考えてみましょう。
その場でジャンプするのであれば両足着地ですが,ランニングの場合は片足です。
この瞬間,体重の3倍もの重さが1本の脚にかかってしまうと言われています。
減量目的で走る場合,体重が増えていることが前提ですから,上記事実はより重みを増すでしょう。
学生時代のような若い方であればまだしも,社会人ともなると一つの怪我が致命的です。
以前,私の知人が地元のフットサルチームに参加したのですが,まもなく練習中に肉離れを起こしてしまい,日常の仕事にも響いてしまいました。
健康のため(幸せになるため)に始めたにもかかわらず,仕事仲間には迷惑をかけ,家族からは文句を言われてしまい,それ以来,その人は2度と練習に参加できなくなってしまったのですが,怪我が恐怖を生み,その恐怖が諦めを生むのはよくある話です。
右のアキレス腱を切った人が回復後に,今度は左のアキレス腱を切ってしまったという話も聞きました。
そこまで重傷でなくとも,ランニングで足が痛くなる経験をしてしまえば「また次に走って痛くなったら嫌だな」などと,二度とやらなくなってしまうことに繋がるのです。
私自身,久しぶりにランニングを始めて20分くらい経ったときから,脛がしびれる感じに痛くなり,そこからウォーキングに変えたのですが一向に良くなることはなく,脚が地面につくたびにビリビリし続けていました。
息は上がっていないのに,脚が痛くて走れないというのはすごく悲しい体験でした。
ちなみに世の中には「ジョギング」という言葉もありますが,これは速度に注目したもので,時速6.4km未満のものをそう呼びます。
とはいえ,競歩の時速は16kmという驚異的な早さですし,今の自分が走っている速度がどれくらいなのか測るのも難しいですから,やはりジャンプの有る無し,つまり走るか歩くかだけで考える方がわかりやすいでしょう↓
- ウォーキング=歩くこと
- ランニング=走ること
さて,今回の記事はあくまで「ランニング」がテーマですので,「ウォーキングで良いではないですか,早く歩けば十分やせますよ」と終わらせるわけにはいきません。
そこで,次章で紹介するテストで,ランニングを始めるための脚力が備わっているのかをしっかりチェックしてから始めるようにしてください。
不幸にも,走るための脚力が足りないことが判明してしまった場合は,ひとまずランニングは諦め,ウォーキングや脚のトレーニングから始めることにし,身体ができてきてからランニングに移行するという形を取っていただけたらと思います。
立ち上がりテストで脚力をチェック
本章で紹介するのは「立ち上がりテスト」と呼ばれているものです。
具体的には,片足でバランスを崩さずにイスから立ち上がれるか否かを調べるのですが,大腿四頭筋(太ももの筋肉)の強さを測ることができます。
イスは高さが低いものの方が立ち上がりにくいですから,どこまで低い位置から立ち上がれるかによってランニングに必要な脚力があるかどうかが判別できるわけです。
気になる椅子の高さですが,性別や年齢で異なります↓
- 女性→20代なら30cm,30代以降は40cm
- 男性→20代なら20cm,30代は30cm,40代以降は40cm
自宅にあるイスで高さ調節できるものであれば実行でき,必要に応じてクッションを足すなどしますが,立ち上がりテスト用に専用の箱も売られていて,リハビリセンターやジムで目にすることもあるはずです↓
安い物でも数万円,高いものだと数十万円するものもあるため,それだけの価値がこのテストにはあるのでしょう。
実際行うにあたっては,胸の前で手を組んでやるとか地面と脚の角度は70度にすると良いなどのルールがあります。
詳しくは以下のような動画で学んでください↓
立ち上がりテストが不合格だった場合
さて,結果はいかがだったでしょうか。
自分の場合,全然立つことができませんでした。
すぐに「アスリートや運動部の人しかできないのではないか」と懐疑的になり,周りにいた中学生や高校生の文化部の子たちに頼んでやってもらいましたが,誰しもがすっと立ち上がるではないですか!
この結果には驚愕でした。
実際,以下の動画を見ても結構な人が立ちあがることができています↓
部活から遠ざかってから,思った以上に時が流れてしまったことを実感しました。
私のように悲しい現実を突きつけられてしまった方は,続いて脚力強化の記事をお読みください↓
ランニングを始める前に準備を挟まなければ,走り出してすぐに痛い思いをすることになり,ランニングをその後一切したくなくなるのは明らかです。
一方,鍛え方が違いますからと,立ち上がりテストを軽くこなせた方はおめでとうございます!
以下の記事で,役立つグッズや効果的に脂肪を燃焼する方法について学んでください↓
今回のまとめ
最後に今回の記事の要点をまとめましょう!
- ランニングをする前に,立ち上がりテストをして脚力をチェックする必要がある。テストに合格せずにランニングを開始してしまうと,膝・脛・足首のいずれかを怪我する可能性が高まってしまう。
- 立ち上がりテストで大腿四頭筋の筋力を測ることができ,20~40cmの高さの椅子から,片足でバランスを崩さずに立ち上がれたら合格となる。合格者はランニングをする十分な資格が備わっていると考えてOK。
- テスト結果が優れなかった場合,脚力を鍛えるための運動やウォーキングのような準備段階を挟まなければならない。しばらくそちらで鍛えてから,立ち上がりテストに再挑戦する。
すぐに走り出せなくても,準備段階もランニングの1つと考えるようにしてください。
もちろん,脚力が乏しくても比較的安全に使える「ルームランナー」という裏技はありますが,それはまた別の記事で述べることにします↓
今後長くランニングと付き合っていくためにも,是非自分の現状について過信することがないようにしましょう。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。