今回は,16時間(女性の場合は14時間)の断食を取り入れた「リーンゲインズ法」を参考にメリハリの付いた食生活を行い,体脂肪率を減らしたときの様子についてまとめてみたいと思います。
年齢や性別に加え,体質にも大きく左右されるなど個人差が大きいことは確かですが,以下の記事に書いたように,食事制限を行うことはダイエットする上でのアプローチとして最有力候補の一つです↓
なお,実際私がリーンゲインズ法を行うにあたって,正規メソッド(Martin Berkhanが提示するもの)に厳密に従っているわけではないので,「多少我流の方法にアレンジしても体脂肪は減らせるんだ」と参考にしていただけたらと思います。
16時間の断食とリーンゲインズ法
最近は中川翔子さんのオートファジーダイエットの動画がニュースになっていましたが,今回紹介するリーンゲインズ法も広義にはintermittent fasting(途切れ途切れで行う断食)に分類されるダイエット法の1つです。
提唱者はMartin Berkhanという方で,氏の書籍や記事を有料で読むことができます↓
「1日に16時間の断食を行う」という謳い文句がとにかくインパクト大なのですが,実際は朝食を抜けば達成できてしまう程度のものだと捉えておきましょう。
なお,「16時間」という絶対的な数値にこだわる必要もなく,現にリーンゲインズ法では女性は14時間の断食でよかったりします。
要するに,「お腹の中に何も入っていない状態を意図的に設けましょう」というのがポイントです。
食事の回数が1回分減ることで,1度に食べられる量が増え,何を食べるのかの計算もしやすくなるなどの長所があるとされます。
もっとも,断食時間を長くする以上に大切なことは継続することなので,実践するにあたって自分の生活に合わせた修正を行うことは必要でしょう。
また,リーンゲインズ法では栄養バランスやトレーニングにも気を配る必要があります。
栄養バランスとしては,タンパク質の摂取量を多めにし,トレーニングを週に数回行うことが大切です。
なお,ここで言うトレーニングとは筋肉痛になるほどの負荷がかかるものとされるため,筋トレがメインとなります。
ジョギングで筋肉痛になる人であれば有酸素運動に代えても構いませんが,筋肉を付けた分だけ食事制限の厳しさが緩和できるようになるため,普段筋トレをやっていない方であっても,スクワットや腕立て,それにプランクなどを取り入れてみてはいかがでしょうか。
むしろ,leanが「身体が締まった状態」,gainsは「増大」的な意味を持つ英単語ですので,食事制限をして減量するだけでなく,筋肥大に繋がるトレーニングを行うことは必須です。
食べる内容ですが,トレーニング日は多くなるよう設定し,かつトレーニング後にカロリーを多くとるように計画することも特徴と言えます。
とはいえ,ダイエットを成功させる方法は,わかりやすくかつ実践しやすく,そして何より継続しやすいことですので,自分ができそうなところだけを取り入れても構いませんし,最初厳密にメニューを決めてしまえば,あとは特に変更することなしにやっていけることも確かです。
なお,食生活アドバイザーの資格を持つ私としては,食事内容や1日の過ごし方が極端になってしまうことは好みませんので,私なりにやや緩めにリーンゲインズ法を解釈しました。
それでは次章で,マイルールについて整理してみたいと思います。
リーンゲインズ法と食事のタイミング
前章で朝ごはんを取らないのがポイントだと言いましたが,仕事に支障が出たり調子が狂ったりしないよう,朝に100kcal程度の簡単な食べ物(軽食)をお腹に入れるようにしています。
先のオートファジーダイエットにおいてもナッツ類は断食中に食べてもよさそうです(小袋1つ30gで170kcalはあります)し,水で割ったプロテイン(117kcal)も真の意味では食事とみなさず,これらを4時間ごとに取るのがマイルールです。
少し経つと何かしらを食べることができるのでオフ日のカロリーが少ないときのメニューであっても空腹感は少なく,むしろ,普段どれだけ自分が食べ過ぎていたのかを悟ることにも繋がったものです。
プロテインという食品に関しては,炭水化物や脂質の摂取量を増やすことなく多くのタンパク質を確保するのに不可欠で,先ほどの軽食と併せると,トレーニングを行わないオフ日の過ごし方は以下のようになります↓
オフ日の食事タイミング
08時 軽食
12時 昼食
16時 プロテイン
20時 夕食
24時 プロテイン
朝に食べる時間を8時に設定していますが,昼ご飯の時間(こちらは大体,時間に融通が利かないことが多い)の4時間前としてください。
あくまで軽食扱いなので,時間は数分で済みますし,正しい方法に則って抜いてしまっても全く構いません。
普段から朝ごはんをあまり食べられない私には,この軽さがもってこいで,次章で私の食事メニューを示しますが,100kcalちょっとの内容です。
とはいえ,ここで食べている卵は完全栄養食と呼ばれるほど栄養バランスが良い食品ですので,ダイエットする上では欠かせません。
逆にトレーニングをする日ですが,食事のタイミングは以下の通りとなります↓
トレ日の食事タイミング
08時 軽食
12時 昼食
18時 プロテイン
トレ後 プロテイン
22時 夕飯
24時 プロテイン
トレーニング後にプロテインを飲むことが追加されている以外,タイミングに変更はなく,人によってはトレーニング日のタンパク質量をオフ日より少なくしていると言っている方もいるので,トレ後のプロテインは必須ではないかもしれません。
ですが,私は筋トレ後にプロテインを飲むのが習慣になっているので,ちょっと回数は全3回に増えてしまうのですが,上のようなやや忙しい摂取スケジュールを取り入れています。
リーンゲインズ法と私の食事メニュー
さて,リーンゲインズ法を実行中の食事メニューについてはオフ日とトレ日で異なります。
基礎代謝が1500kcal弱の私ですが,オフ日に1250kcal,トレ日で2100kcalを取るように決めていて,前者が週に5日,後者が週に2日あるので,平均すると1日当たりの摂取カロリーが基礎代謝と同じになるという算段です↓
(1250kcal×5日+2100kcal×2日)÷7日≒1500kcal
基礎代謝を下回ると痩せにくい身体になってしまうと言いますので,みなさんもまずはご自身の基礎代謝について知り,それを7倍して1週間の総カロリーを求め,トレ日とオフ日のカロリーを決めてみてください。
生活に必要なカロリーは含めていないので,活動した分だけ脂肪燃焼に繋がるはずです(同時に筋肉量が減少することには注意しましょう)。
基礎代謝に関してですが,私は家にある体重計に表示されていたものを利用しました。
リーンゲインズ法ではトレーニング日は炭水化物を多めにし,脂質は低くするということから,トレ日の脂質:炭水化物のカロリーが1:3(25%:75%)になるようにしています。
逆にオフ日は脂質:炭水化物=1:1(50%:50%)です。
タンパク質の目安量はオフ日が「除脂肪体重(kg)×2.2~2.8g」,トレ日が「除脂肪体重(kg)×1.8~2.2g」だとされていますが,私は「現体重(除脂肪ではない)×2.8g」の数値が限界と捉えています。
例えば体重が60kgで体脂肪が20%の方であれば脂肪は12kgあるということになるので,除脂肪体重は48kgと計算でき,これに2.8gをかけた105.6gを1つの目安としましょう。
以上を踏まえ,Excelシートなどで書き出して管理します↓
タンパク質(P)と炭水化物(C)はグラム数に4kcalをかけたものがカロリーになりますが,脂質(F)のみ9倍して求めます。
ちなみに,上の表では総カロリーがトレ日とオフ日で2088kcalと1227kcalと,先ほどの基礎代謝に基づいた計算結果に近い値になっている他,脂質と炭水化物の割合が1:3と1:1になっており,それ以外の細かな食事内容については各自で自由に決めて構いません。
パンが好き,アボカドが好きなど,各自の好みに従い,品目は変えずとも量を調節していけば良いだけの話です。
とはいえ,揚げ物などは栄養素的に含めづらいですし,毎日別メニューを考えるだけの根気が私にはないので,上の2種類の献立だけで1週間を過ごすようにしています。
どれも消費期限が比較的長いものを選んだので1週間分を一気に買いだめでき,嗜好品を買わなくなったために食費は抑えられ,食事の用意や片付けが楽になったところが特に良かったです。
メニューで気になる点として,どうしても野菜を含めることができなかったので,マルチビタミンを朝にサプリメントから取り入れている他,上記の食事内容を1週間続けたあとの数日間は,野菜を中心に自由に食べるチートデイ的なものを設けて対応することにしています。
1日ごとにバランスが取れなくても,1週間または1ヶ月単位で整えられれば問題になりにくいです。
そもそも,リーンゲインズ法は3ヶ月を超える長期間,やり続けるようなものではないのですが,1週間ごとに,上記メニューで過ごす過ごさないを切り替えていくと続けやすいでしょう。
少なくとも私は,隔週ごとに実施することで,半年以上の間,続けることができています。
あとは,毎日決まった時間に体重計に乗るだけです。
リーンゲインズ法と体脂肪の変化
体脂肪率ですが,夜に測った方が良いスコアが出る傾向にあります。
これは一般的に正しく,時間の経過とともに水分が下半身に集まってくるからなのですが,私の場合,オフ日であっても朝に測ったときより,2~5%くらい低く出ることが多いです。
そちらで見ていく方が精神的に喜ばしいのですが,同じ条件で夜に測ることが難しかったこともあり,私は起床後に測ることを決めました。
基本的に,体重計の数値は絶対量では考えず,変化量の方を気にするようにし,鏡に映った自分の身体の見た目であったり,腕やウエスト周りといった長さを測ったりすることの方がずっと大切です。
上に示したのは,ここ最近の月ごとの平均値の移り具合になりますが,半年間,緩くリーンゲインズ法を実践してきた結果,4月から10月までの半年で
- 体脂肪が21.6→17.6%
- 骨格筋率が34.8→38.4%
- 体年齢が36→28才
といった具合に,順調にダイエットの成果が表れてくれました。
最初の方こそ,数値は大きく変動していましたが,数週間から1ヶ月のスパンでみれば確実に改善に向かっていて,リーンゲインズ法の凄さを感じています。
ウエイトトレーニングは2時間弱行い,重いダンベルを使って筋力も付けてきたので,チートデイを1週間程度挟んでも数値が大きく悪化するようなことは起こらなくなりました。
なお,私は40代と若くはありませんが,しっかり結果に出てきてくれているので,年齢のことは気にしないでよさそうです。
食事についてですが,1日だけでみると基礎代謝量を下回っていて,「空腹で眠れなかったり,痩せにくい身体になるのでは?」などと心配もしていましたが,チートデイも1週間ごとに設けていますし,お腹が空いたという感覚を味わえるのは断食系ダイエットならではの魅力だと感じています。
どれだけ普段食べ過ぎていたのか,そして時間が来たからしょうがなく食べるといった日々を送ってきたのかがわかり,その意識改革があってか,チートデイであっても暴飲暴食は控えるように落ち着いてきたのが驚きでした。
まとめ
以上,リーンゲインズ法の簡単な紹介と,私なりに実践してきた際に感じたことについてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
ただ単に食事を減らすのも良いですが,一度3大栄養素とカロリーについて細かく分析してみると,より効果の高い結果が得られますし,もしも自分の希望に見合う結果が出なかったときにも反省しやすいはずです。
当記事で,私なりに大切だと思ったポイントを抜き出しますと,
- 朝食は抜くか軽めに
- 栄養バランスはタンパク質多め
- 脂質と糖質のバランスは1:1(オフ日)か1:3(トレ日)
- 強度の高い筋トレを行う
- 食事は4時間ごとに取ると空腹感が少ない
- 平均が基礎代謝量になるようカロリー計算する
- 決まった時間に体重計に乗る
となります。
なお,オフ日の過ごし方ですが,外に出る予定のない日であっても朝に散歩または30分程度の有酸素運動は別で行っていました(2時間以上運動するときはバナナを食べるなどしています)。
それらを行った翌日の結果は変化なしか,夏場に汗びっしょりになるまで走り続けた日の次の日は,逆に骨格筋率が落ちて体脂肪は増加することも多かったのですが,3ヶ月を超えたあたりから数値が悪化することはなくなったので,今後も適度に有酸素運動も続けていきたいと思っています。
短期間だけに限定してリーンゲインズ法を行うことは,ちょっと体重が増えてきたなと感じた際,次の1週間だけやってみるなどと気軽に実践できるところが何よりも嬉しく,トレ日とオフ日のカロリーと食べるものさえ上手く決められたら,緩やかに体重も減少してくるので大変便利です。
無論,実施している最中に食事の誘いがあったとしても,また翌日から再開すれば良いだけの話となります。
なお,先の結果には載せていませんでしたが,体重は1週間で0.5kg程度減少させることができていました。
隔週での実施なので,リーンゲインズ法の貢献度としては,1ヶ月に1kgの体重減です。
当初の目標は体脂肪率15%でしたので,もうしばらくは続けてみようと思います。
興味を持たれた方は,1週間だけでも是非リーンゲインズ法を実践してみてください。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。